「図書館戦争」
著者:有川浩(アリカワヒロ)
出版:メディアワークス
久々にツボった…やばい、顔がにやけるんですけどコレ!
どどどどどどーじょーきょーかーんっ!!(叫)
もだもだするよぅ、読んでるこっちがもだもだするよぅ!!
やばい、何か、落ち着かない…!
もうやばいしか言えない…!!(落ち着け)
念願の図書館に採用されて、私は今――
毎日軍事訓練に励んでいます。
そんな出だしで始まるこの「図書館戦争」。
もう何事かと思うしかないですよね、私達の感覚からすれば。
図書館で軍事訓練て!?まぁコレには色々わけがあって、私が説明するにはちょっと、というか大分難しいのですけど。
簡単に言えば「メディア良化法」なる法律が施行され、本やら何やらの内容が悪影響を与えるって事で処分されたり、適切で無い表現が入ってると言っては没収され…という背景あるわけです。
そしてその良化法の名の下に立ち上げられた委員会は国に属する機関となり、警察も介入出来ないってんでやりたい放題。
法的にどうなのかってのもあるんですが、そもそも良化法自体が曖昧で拡大解釈なんかいくらでも出来んじゃねーの的なものなので、解釈次第でどうとでもなるとその辺はもはや野放し状態。
結果、国民が手に出来るのは委員会が認めたもののみ、つまりは優良品ばかり。
そんなんつまんねーよ、本はもっと平等に扱うべきだろと良化法に対抗して出来たのが「図書館の自由法」なるもので、これまた曖昧かつ拡大解釈どうとでもってものなので良化法と張り合うにはある意味持って来いですよね。
そして対抗できるのがこの図書館法のみとなれば、必然的に図書館では普通では検閲に引っかかっちゃうような本も入手する事が出来、それを求めてのお客も増えるってわけです。
メディア法があるからこそ、一般市民の図書館の評価も上がる、と。
んで、当然満足するわけも無い委員会。
図書館の検閲に不意打ちで訪れ、その度に図書館側と抗争する、という図が出来上がるわけです。
良化法と図書館法の拡大解釈のもとに銃撃戦が繰り広げられ、もはや超法規的な性質も持ち合わせちゃったりして。
「図書館に採用されて軍事訓練」の意味、大体はお分かりいただけたでしょうか?
んで、話の本編ですが。
面白いんですよねー、この人物設定アタシ大好き!(笑)
表情とか感情が豊かで、読んでると一緒にいるような気がします。
内容といえば日々の図書館の紛争だったり、郁が精神的にも成長していったりと、言ってしまえば分かりやすい内容なんですが。
ま、そもそも図書館で銃撃戦って時点で普通じゃ無いので新鮮っちゃ新鮮ですよね。
本に対する思い入れなんかはすごく共感するところがあるので、私はそこが好きなのかなーとも思ったり。
良化委員会の本の扱いはちょっとムカつきますよ。
それに主人公の笠原郁と教官の堂上篤のやり取りが面白くてねー!
笑うしかないもん、もう爆笑!(笑)
規律が厳しかったらこうはいかないだろうなっつー、適当な上下関係?
まぁ郁が堂上を嫌ってるってのもあるんでしょうけど、それにしたって上官にあんなこと普通は言えないよなぁ(笑)
割りとありがちな伏線もあるんですが、それはそれで良いかな、思いますよ。
お約束でも、面白いもんは面白いです!
だって上官にドロップキックとか有り得ねぇーっ!!(爆笑)
やっちゃうんだ、やっちゃうんだね郁!!
そして受けて立つんだね堂上教官!!
お、大人気ない…なんて大人気ない…!
だから好きなんだよ堂上教官!!(爆)
あの皮肉の応酬とか、突き落としてはちょっと持ち上げてさらに突き落としたりとか、時々妙に優しいこと言ったりとか(素か?素なのか!?)ああああたしのツボを見事にクリティカルだよコンチクショー!!!
個人的には堂上と同期の小牧幹久も素敵な性格してると思うんですよねー。
笑顔で正論吐いて、ある意味一番容赦ないっていう。
それにこの人笑い上戸なんですよ!
小牧が吹きだす度にアタシも笑っちゃう、みたいなのがあって。
不思議ですね、ついつられちゃうと言うか…。
それよりむしろ一緒に堂上いぢめたいよアタシも!(笑)
正論言うから堂上も勝てないところがあってねー、そこがまた良いんだv
アタシも堂上冷やかしたいよー、からかいたいよぅ~!(愛です)
他にもいい味出してるキャラいっぱいいるんですよ!
なんでこんな生き生きと書けるんだろう、すごいなぁ有川さん。
私この方の本今まで三冊読んでますが、どれも人物が良いんですよね!
あと、人と人との距離感が絶妙!
今回だって最後までもどかしくてお前もうどうすんだよハッキリしろよと常に思ってましたから!(笑)
こっちがこそばゆいんだよもぉう~~!!
それに確か有川さんは自衛隊とかに興味がある、というか詳しいみたいなので、その辺りもリアリティがあって面白いですね。
銃撃戦みたいな私にとっては非日常的なことが、等身大の人物で描かれている、というのが読み辛さとかを感じさせない理由なのかも。
ちょっとコレは是非読んでもらいたい、そして堂上教官について語りたいです(そこか)
それからこの本に出てくる「メディア良化法」ですが、知ってる人にはぴんときたと思います。
そう、「人権擁護法」そのものですよね。
この法案の制定、今はとりあえず仕切り直してるみたいですが。
難しい話は苦手なのでまたの機会にするとして、人権擁護法に興味がある人はちょっと読んでみても良いと思いますよ。
実際に施行されたらこうなるかもしれない、という一つの未来が見えてくるかもしれません。
ここまで過激にはならないといいんですけどね…。
以上、「図書館戦争」の感想でした。
ここまでのお付き合い、ありがとうございました~!(いるか知りませんが)
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